2012/08/06 Category : 日乗(にちじょう) ―“現代書生”の色色とその生活― 暁闇(ぎょうあん) 夜明け方に目醒める。床より起きて喉を潤してから再度枕に頭を預けるものの、一向に眠りに落ちる事が出来ない。至極当たり前だ。早寝を云い付けられている。短針が時計半周する程度、充分に寝たのだから無理もない。それにしても、体が寝床に落ち着かない。節々が強張(こわば)って音を発(た)てて已(や)まない。隣の父を起こさない様…とは云え早起きの父はその内起床する頃だが、「起きる」と「起こされる」とでは大分(だいぶん)心証が違うものだ…、注意を配り乍(なが)ら輾転反側(てんてんはんそく)する。父が起き、暫らく経って漸(ようや)く眠りに就いた途端、続いて妙な夢に懕(おそ)われた。左手の甲に包丁を添え宛て、林檎の皮剥きの様にやる夢。僕は現実に刃物の扱いが不得手なものだから、同様に厚く不格好に垂れ下がる膚を見た。全く僕の脳中を疑う。寝起きの悪いのは頃日の常だが、久方振りに薬を欲する程の酷い気分となった。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword