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沫緒(あわを)

玉の緒を沫緒に縒りて結べらばありて後にも逢はざらめやも

紀女郎 きのいらつめ(紀少鹿女郎 きのおしかのいらつめ)
[万葉集 巻4-763 相聞]

 互いの玉の緒を沫緒のように緩やかに縒り合わせて結んでおけば、生き長らえて後には、いつかお会い出来ないわけがありましょうか



今朝、NHKラジオ第1「とっておきラジオ」にて『NHK万葉恋活講座 ~万葉集に学ぶ恋の技~』が放送された。

迂闊な事に殆どを聴き逃してしまった為、サイトにて紹介された歌を眺めていたところ、上記の歌が気になったのである。


教科書的な現代語訳では解りづらいが、清川妙著『つらい時、いつも古典に救われた』より引用すると、
「紀女郎が大伴家持におくった歌、家持のほうから恋仲になろうと迫られたのに対して、やんわりと『おたがい、もっと自由な仲のほうが長つづきしていいんじゃない?』と、いなしている歌だ。

恋してすぐに深い仲になってしまって、飽きて別れて胸をひき裂かれる思いをするよりも、男友達の関係のほうがいいわ、という提案。
古い『万葉集』の中にも、こんないまふうなセンスの歌があることは、なんとも愉しい。
いってみれば、これは『恋人でいるより、男友達の関係でいましょうよ』という提案ではなかろうか」
との事である。


万葉の恋歌というと情熱的なものと想起し勝ちだが、こんなにも清涼な歌があったとは。
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